コーヒーなどに含まれるカフェインには、どのような作用があるのか。広島大学大学院医系科学研究科の田原優准教授は「カフェインを摂り続けると耐性がついてしまう。最悪の場合、依存や中毒に陥ることがあり、中には死亡した事例もある。自分が依存していないか、チェックリストで確認してみてほしい」という――。(第5回)

※本稿は、田原優『集中力を爆上げするカフェインの教科書』(日本能率協会)の一部を再編集したものです。

コーヒーを準備する女性
写真=iStock.com/PrathanChorruangsak
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カフェインを摂取しすぎると「依存」「中毒」に

「昼間にコーヒーを飲むと眠れなくなる」と言っていた妻が最近、自分でコーヒー豆を買ってくるようになりました。

もともとは、カフェインの代謝が遅いタイプだったのか、日中の1杯ですら効果が夜まで残り続けていたようです。それが今では「眠れない」とも言わず、自分でコーヒーを淹れる。自宅のコーヒーミルとエスプレッソマシンは、私よりも妻のほうが使っています。

考えられる理由は「耐性」です。カフェインは慢性的に飲んでいると、だんだんと効果を感じづらくなります。妻の場合も、少しずつでも長期間飲むうちに、耐性がついて覚醒作用が薄れていったのではと考えられます。

カフェインを摂り続けると、私たちの体にはいろいろな影響が表れることがあります。

たとえば、耐性以外にも、依存や中毒になることもあります。カフェイン依存やカフェイン中毒という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。

気持ちの上でカフェインに頼ったり、身体的にもそれを常に欲するようであれば、仕事や生活にも支障が出ます。「ちょっとしたルーティン」というレベルを超えて、「それがなければもう何も手につかない」となっては周囲に迷惑をかけるかもしれません。

「カフェイン使用障害」チェックリスト

「やめたくても、やめられない(依存)」状態に陥る危険性は、ギャンブルやアルコールなどでも、しばしば指摘されています。こわい話ですが、カフェインでも同様のことは起こり得ます。

精神疾患の国際的な診断基準「DSM-5」では「カフェイン使用障害」の基準が取り上げられています。具体的には図表1に挙げる9項目のリストがあり、特に①~③がこの1年以内に起きているかどうかを基準にするといいとされています。専門知識なしには、ここから「自分はカフェイン使用障害なんだ」や「違うから安心だな」とは判断できません。

実際は医師による診断が必要です。ただ一つの参考に、確認してみるのもいいでしょう。頭痛が起こるのを知りながらつい飲んでしまう方や、1杯のつもりが何杯も飲んでしまう方はいないでしょうか。また他の時間がなくなるほどコーヒーを淹れるのに時間をかけたり、お財布事情を無視して高価すぎるお茶を買ったりするというのも注意したいところです。

この表で、みなさんが聞き慣れない言葉は「離脱症状」でしょうか。

離脱症状とは、日常的に多量のカフェインを摂っている方が、急に摂取をやめたり、量を減らしたりすると現れる不快な症状のこと。具体的には頭痛や吐き気、気持ちの不安定さなどです。