筆者自身に起こった「摂りすぎ」の症状
私がアメリカに留学していたときに、隣には韓国人の留学生が座っていました。アメリカではコーヒーが仕事のパフォーマンスを高める手段の一つになっています。(本書の序章で触れています)。そして例外なく彼女もコーヒーをたくさん飲んでいました。けれども彼女が飲む理由の一つが「私、飲まないと逆につらいから」。急にやめると、頭が痛くなるというんですね。まさに離脱症状です。
余談ですが、研究室の他の方たちはそんな彼女に同情しつつも「そういうものだよね」と。アメリカではわりとよくある話として受け入れられていることに驚いた記憶があります。大きなカップで4杯も5杯もコーヒーを飲み続ける毎日です。症状が出るのもそれほど不思議ではありません。
こう書くと「この人はカフェインで困ったことなんてないんだろうな」と思われるかもしれません。
でも、実は私自身もカフェインに悩まされた経験があります。あるときからコーヒーを飲むと心臓が少しドキドキするようになったのです。私もまたカフェインを摂りすぎていたのでしょう。
期待していた覚醒作用よりも体への負担のほうが大きく感じられるようになってしまいました。「これはマズいな」と思い、それ以来カフェインとの付き合い方を見直すようになりました。
「エナジードリンク」による死亡事故も
本稿では、少しこわいけど知っておきたいカフェインの落とし穴の話をしていきます。どんな影響があるのか、心身に負担のかかるようなカフェイン習慣とは何か。きちんと知っておいてもらいたいと思います。
あらかじめお伝えしておくと、私は今でもコーヒーを飲んでいます。大好きな飲み物ですし、その力には頼りたい。楽しく、健康に、パフォーマンスを高める。カフェイン戦略はそのためにあります。
九州に住む20代の男性がカフェイン中毒で亡くなったというニュースが流れたのは2015年のことでした。男性は日常的にエナジードリンクを多量に飲んでいたことに加え、カフェイン錠剤も併用していたようです。
アメリカではさかのぼること2011年に14歳の少女がエナジードリンクによる多量のカフェイン摂取により亡くなっています。
短時間での多量のカフェイン摂取は死に至るリスクがあります。個人差はあるものの、カフェインの致死量は1日5~10gといわれます。しかし、日本人の平均的なカフェイン摂取量を考えると、日常的なカフェイン摂取であればこのような量には至らないのでご安心ください。

