「ポリフェノール」が健康に役立っているだけ

細かくいえば、ポリフェノールにはさまざまな種類があります。その数、8000以上。有名なものでは、赤ワインに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボン、チョコレートに含まれるカカオポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンもポリフェノールの一種です。コーヒーに含まれるのは、クロロゲン酸というポリフェノールです。

ちなみに柑橘類に含まれるノビレチンというポリフェノールは、体内時計を調節する力があります。体内時計を調節するものとしては、ノビレチンとカフェインが二強といってよいほどです。柑橘類の中でもシークワーサーはノビレチンが多く含まれる優れモノです。

ノビレチンやカカオポリフェノールは朝に摂ることで体内時計の調整にもつながります。

ポリフェノールが含まれていることでよく知られる赤ワインは、100ml当たり約230mg含まれていると言われています。図表3は一つの目安ですが、コーヒーのポリフェノール量は赤ワインよりは少ないものの200mgです。

(Yoichi Fukushima et al.(2009).Coffee and green tea as a large source of antioxidant polyphenols in the Japanese population. Journal of Agricultural and Food Chemistry,57(4),1253-1259.)

緑茶はその半分ほどの115mg。いずれも他に比べれば、相当に多いですよね。

ですから「カフェインで健康になっている」というのは案外、勘違いかもしれません。「コーヒーに含まれるポリフェノールの効果が、健康のために役立っている」と捉え直しておくことは、カフェインの摂取量を増やさないポイントにもなります。

カフェイン摂取の5時間後でも、半分残る

摂取量への注意があれば、摂取タイミングにも注意があります。

厚生労働省は2024年に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を発表しました。この中には、夕方以降に100mg以上のカフェインを摂ると睡眠の質を下げることが指摘されています。

たとえば19時に100mgのカフェインを摂ると24時になっても50mg分のカフェインが体内に残ってしまい、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするなどの影響があるといいます。またこのガイドは、子供は少量のカフェインでも影響を受けること、さらに高齢者も年を重ねるにつれてカフェインの代謝が弱まっていくこと、妊娠中も控えたほうがいいことにも触れ、注意を促しています。

カフェインと睡眠の質の関係性は、海外でも研究されています。

オーストラリアの研究者らは2023年に論文を発表しました。この研究では、睡眠とカフェインの関係について調べた24の論文を併せて解析しています。これによるとカフェインを摂ることで総睡眠時間は45分減り、睡眠効率は7%下がるという結果が出ています。

(Carissa Gardiner et al.(2023).The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews,69,101764.)

睡眠効率とは、ベッドや布団にいる時間のうち、寝つくまでの時間や途中で起きた時間を差し引いた、実際に眠っている時間の割合のことです。より具体的には寝つくまでの時間は9分、寝てから途中で起きた時間は12分増加したといいます。また浅い睡眠は6.1分(1.7%)増え、深い睡眠は11.4分(1.4%)減りました。