「ドーピング」とみなされた過去もあった

本書では「アスリートがカフェインを用いる」という話を紹介しました。

カフェインは過去にはドーピングとみなされていました。世界アンチ・ドーピング機構(WADA)がカフェインを禁止物質としていたんですね。2004年からは認められるようになりましたが、今でもモニタリングは続けられているという状況です。

ランニングする女性
写真=iStock.com/lzf
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ただカフェインはドーパミンの効果を高めることに加えて、インスリンやアドレナリンの分泌も増やします。また、カフェインの基本的な作用である「疲労感がなくなる」ことはアスリートには大きなメリットでしょう。

一方で多量のカフェインを日常的に摂り続けていればリスクもあります。手足のふるえや頭痛などが起これば、もう競技どころではないですよね。これはアスリートでなくとも同じことです。

つまり、いい面もあれば、わるい面もある。カフェインにおいても付き合い方が大事だということです。

脂肪燃焼作用も期待できる

運動の話ついでに、ダイエット効果にも触れておきましょう。カフェインには覚醒効果があり、カフェインの摂取により交感神経が活性化されます。

交感神経は心拍数や血圧を高めるなど、身体の「アクセル」役です。これは「ブレーキ」役となる副交感神経とともに働いています。副交感神経=リラックスさせるものということを知っている方も多いのではないでしょうか。

交感神経がカフェインにより活性化されると、ホルモン感受性リパーゼという酵素も活性化されます。この酵素が脂肪燃焼作用を発揮すると考えられているのです。

ダイエットはこの本のテーマではないのですが、これも時間を効率的に使うという点でタメになるのではと思います。実は体内時計を知ると、さらに効率的なダイエット法も見えてきます。本書で触れていますので、気になる方はご覧ください。

カフェインについては疫学からも多くの効果が示されています。疫学とは、いつどこでどんな人がどんな病気にかかるのか、その原因や影響を多くの人への調査をもとに研究し、病気の予防や健康に役立てる学問です。

カフェインの健康効果についても、何千、何万もの診断データをもとにいろいろなことがわかっています。多くの論文があり、そのうちのいくつかを紹介していきましょう。