繰り上げ返済か、積み立て投資か
「住宅ローンの返済はまだ20年以上残っている。教育費もこれから本格化する。それでも、新NISAの積立は続けたい」
そんなジレンマを抱えていませんか。家計に余裕があるわけでもないのに、「今のうちに投資で増やさないと乗り遅れてしまう」と焦りを感じる方もいることでしょう。
繰り上げ返済と新NISAの積立、いったいどちらを優先すればよいのでしょうか。この問いが難しいのは、利回りの比較だけでは決められないからです。家計の状況、これから使うお金、住宅ローン金利、そして「借金があると落ち着かない」「現金が減るのは怖い」といった気持ちまで考える必要があります。
今回は、40代の具体的な家計事例をもとに、「返すお金」と「増やすお金」の順番を一緒に考えていきましょう。
40代になると固定費が重くのしかかる
住宅ローンを返済しながら投資をするのは、間違いではありません。繰り上げ返済と新NISAの積立投資は、役割がまったく異なります。繰り上げ返済は利息負担を確実に減らす方法です。一方、新NISAの積立は、値動きはあるものの、長期で資産形成を目指すものです。
大切なのは、「どちらが得か」だけで考えないことです。今の家計に無理が生じていないか、近い将来に使う予定のお金まで投資に回していないか、といった視点が必要です。特に40代は、収入が増えて安定してきたように見えても、住宅費・教育費・保険料など、固定費が重くなりやすい時期です。
そこでまず優先したいのは、生活防衛資金として生活費の6カ月〜1年分を確保することです。そのうえで、教育費や住宅の修繕など、使う時期がほぼ決まっているお金は、投資とは切り離して考えましょう。
繰り上げ返済は、将来の利息負担を確実に減らせますが、まとまった手元の資金が減ることも忘れてはなりません。その軽減効果は、住宅ローンの金利や残りの返済期間によって変わります。低金利のローンで、教育費や住宅修繕費などこれから使うお金が多い時期であれば、繰り上げ返済を急ぐよりも、まず手元資金をしっかり確保するほうが家計は安定しやすいでしょう。

