柔軟に繰り上げ返済する選択肢もある

3.住宅ローン金利と心理的な安心感

住宅ローンの借入金利が低ければ、急いで繰り上げ返済をしなくてよい、という考え方もあります。金融庁「NISA早わかりブック」によると、長期積立・分散投資を20年続けた場合、あくまでも過去のデータに基づくシミュレーションではありますが、年間の投資収益率は約2〜8%程度と言われています。このように長期の投資リターンが、ローン金利を上回る可能性もあります。

ただ、お金の判断は数字の損得だけでは決まりません。借入残高が大きいと不安に思う方もいれば、手元の現金が減るほうが怖いという方もいます。利回りの比較だけでは、お金の不安は解消できないのです。自分が何に不安を感じているのかを整理したうえで、総合的に判断することが大切です。

繰り上げ返済も「やる・やらない」の二択ではありません。手元資金を残しながら、ボーナスの一部を充てるといった選択肢もあります。家計の状況と気持ちの両方を踏まえて判断したいところです。

正解はひとつではないが、順番はある

住宅ローンがあるから投資してはいけない、というわけではありません。逆に、新NISAを優先すれば安心というものでもありません。大切なのは、生活防衛資金をしっかり確保すること、使う時期が近いお金は分けておくこと、老後など長期のお金は投資で育てること。この3つの順番を意識するだけで、家計の見え方は変わってきます。

40代は、収入が安定して見える一方で、住宅費・教育費などの支出が重なりやすい時期でもあります。「返すお金」と「増やすお金」の順番を、いま一度整理してみましょう。

家計に合ったペースで、無理なく続けられる形を選ぶこと。それが、住宅ローンがあってもぶれない資産形成の土台になります。正解はひとつではありませんが、順番には基本がある。その基本を大切に、一歩ずつ進んでいきましょう。

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