※本稿は、政近準子『装力』(時事通信社)の一部を再編集したものです。
服は「着る人の心」から始まる
服は身体に身に着けるものですから、「マインド(心・精神)によって服を着ている」と思っている人は多いと思います。
もちろんそうなのですが、本当は「マインドが服を着ており、服がマインドを作っている」のです。
たとえば、子どもの頃、何かのキャラクターになってみたことは誰しもがあると思います。仮面ライダーになってみたりシンデレラになってみたり、コスプレ衣装を持っていなくても、マインドが「○○になりたい!」と思っていれば風呂敷でマントっぽくしたり、お母さんの長いスカートを履いてみたりしただけで、もうその気分になりますよね。これは、「マインドが服を着ている」例です。
そして、もしその当時の衣装が残っていれば、自分の子どもにそれを着せてみると、最初は気が進まなかった子も、あら! その気になってポーズをとってしまうかもしれません。これは、「服がマインドを作った」瞬間です。
あるいは、会社に行くとき、今日は疲れているなぁ、休みたいなぁ、と思いながら出勤すれば、服も元気がなく見えてしまうものです。
しかし今日は疲れているから、あえて気分が上がる服を着ていこう! と鼓舞したら思っている以上に体調が回復したり、乗り切れたりした。そんな経験はありませんか?
これも、「服がマインドを作った」例です。
「思考停止の服選び」から脱却するには
自分が買った服は、本当に自分の心で決め切って買っていますか?
現代は、自分の中に軸がなく、「情報によって服がある」と信じ込んでいる人がたくさんいますが、マインドフルな状態で服を考えることが重要です。
それには、服装におけるマインドフル、マインドレスの状態を知る必要があります。
それぞれの状態については、図表1を参考にしてください。
また「服がマインドを作る」とは、服はマインドを減少させたり増幅させたりすることも意味します。
たとえば、仕事で大きなプロジェクトを動かすようなプレゼンをする機会があるとします。
そのプロジェクトをどう動かし成功に導きたいのか、内容に準じて何を着て伝えることがマインドを増幅させるのか、服は「いざ」というとき、可能性を大きく拓いてくれるものです。
マインドと服の関係の実験を繰り返すことで、その場に応じた真の自分らしさを表現できたり増幅させたり、状況を好転させることもできるのです。


