高市首相はアメリカの「暴挙」を批判せず

こうした中、高市早苗首相は3月2日の衆議院予算委員会で、「イランによる核兵器開発は決して許されない」と強調しつつ、アメリカなどによるイラン攻撃の是非には言及せず、「交渉を含む外交的解決を強く求める」と述べるにとどめた。

間違っても、トランプに「国際法違反なのでは?」などとは言えない日本の宰相らしい答弁だが、高市首相が最優先課題として掲げる「強い経済」の復活には、早くも暗雲が立ち込めていると言っていい。

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃と、湾岸諸国にあるアメリカ軍基地へのイランの報復攻撃は、さっそく3月2日の東証平均株価を一時1500円以上下落させ、世界の原油価格の指標として重要なアメリカ産WTI原油の先物価格も、同日、一時、1バレル=75ドル台と、前週末から約12%も上昇した。

【図表】過去の主な原油価格の高騰
筆者の記述を基に編集部がGeminiで作成

ようやくガソリン価格が下がってきたのに…

トランプは、3月2日、今回の軍事作戦について、「4週間から5週間を見込んでいたが、それよりはるかに長く続けられる」と長期化も示唆した。

対するイラン側も、IRGCの司令官が、「ホルムズ海峡を通過しようとする船は炎上させる」と報復のフェーズを1段階上げている。

この先、イラン国内で反米感情が高まり、報復が続き、軍事衝突が長期化すれば、ホルムズ海峡での原油輸送に支障が生じ、世界の原油需給と原油価格への影響は避けられなくなる。

日本の場合、2025年12月末でガソリン税の暫定税率が廃止され、レギュラーガソリン1リットル当たり25円程度、段階的に値下がりしたものの、再び上昇に転じる可能性が高い。

ガソリンスタンドにてセルフで給油中の人の手元
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