「1リットル200円超え」という予測も
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏は、
「最も悲観的な想定では、国内のガソリン価格は約3割上昇して、全国レギュラー平均で1リットル200円を超える。ガソリン暫定税率廃止によるガソリン価格押し下げ効果は消失する」
また、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、永濱利廣氏も、
「為替不変で今後の原油先物価格が、イラン情勢の緊迫があった2012年平均並みで推移すれば、27年の家計負担を年間で3.6万円も増加させる」
それぞれ、経済分析レポートでこのように試算している。
政府によれば、石油の備蓄は254日分あるとしているが、火力発電などに使われるLNG(液化天然ガス)は3週間分の備蓄しかない。LNGの先物価格も急騰していて、電気・ガス代に影響が出るようなことになれば、輸送コストや製造コストが増え、幅広い品目で価格転嫁が避けられなくなる。
現在、来年度予算案の審議と並行して、政府内では、飲食料品にかかる消費税を2年間ゼロにする議論が「国民会議」(といっても、自民・維新・みらいの3党会議にすぎないが)を舞台に始まっているが、今後の中東情勢によっては、「なるべく早くゼロにする」、あるいは、「先に給付金を」といった声が高まる可能性もある。
当然、もともと高市首相が慎重な利上げは、景気を下振れさせるリスクがあるため先送りされることになるだろう。
注目度を増した高市・トランプ会談
そこで注目されるのが、3月19日に予定される日米首脳会談だ。
首相就任後、初のアメリカ訪問となる高市首相は、トランプに、東アジアの安全保障への継続的な関与を働き掛け、約86兆円に上る対米投融資も約束どおり推し進める方針を示して、トランプが3月31日に中国を訪問し、習近平国家主席(以降、敬称略)と会談する前に、国内外に向けて「揺るぎない日米同盟」をアピールしたい考えだ。
ところが今回は、アメリカの軍事作戦への支持と協力も要求されかねない。トランプからすれば、今回の軍事作戦もアメリカ国民の半数近くが「反対」と答える中、高市首相だけが表立ってダメ出しをしない友人で、頼み事をしやすい相手だ。
そこで高市首相がトランプの姿勢に理解を示せば、長年、築いてきたイランとの関係を損ない、ペルシャ湾にいる日本のタンカーも標的にされかねない。
