「つかず離れず婚」のススメ

そのひとつが、私が以前から提案している「つかず離れず婚」です。これは、夫婦がお互いに適度な距離をとりながら暮らしていくスタイルです。

とくに定年後の夫婦が無理をしてべったり一緒に過ごすのではなく、それぞれの自由や自立を大事にしながら、必要なときに支え合うという、これからの時代に合った新しい夫婦のかたちといえるでしょう。

たとえば、同じ家に住みながらも、寝室を分ける。食事や外出も、それぞれのペースで行う。そんなふうにして、夫婦がそれぞれ心地よく過ごせる生活のスタイルをつくっていくのです。以下のように、自分たちに合った方法を取り入れてみるとよいでしょう。

【物理的な距離をとる】

夫婦の寝室を分ける
週末・あるいは平日だけ別居してみる
別々に外出する機会を増やす

【相手の生活リズムや趣味を尊重する】

相手の許可を得ることや相談することなく、自由に外出できるルールをつくる
相手の行動や行き先を詮索しない
それぞれ自由に趣味や仕事を楽しむ
食事は別々にとり、生活リズムを無理に合わせない

【最低限のルールを決めておく】

共用部の掃除や家事分担など、ルームシェアのように「やることルール」を決める/言いたいことは我慢せずに伝えるようにする

寝室と食事を分けるのは効果的

細かい内容は夫婦で決めていいと思いますが、大切なのは、必要以上に干渉せず、相手に期待しすぎないということです。お互いの自由を尊重しながら暮らすことで、無用なストレスや衝突を避けられますし、気持ちにも余裕が生まれてきます。

和田秀樹『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』(PHP研究所)
和田秀樹『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』(PHP研究所)

また、同じ家で暮らすかたちであれば、生活コストの面でも安心ですし、安全面を考えても一人暮らしよりメリットがあるといえるでしょう。

なかでも効果的なのが、寝室と食事を分けることです。

とくに普段の食事は別々にするというルールにしておけば、生活リズムを無理に合わせる必要もなくなりますし、自分の好きなものを好きな時間に食べられます。これは想像以上にストレスの軽減になります。

長い間、夫の食事をつくってきた妻にとっては、「夫の健康や栄養が心配」という思いもあるかもしれませんが、今の時代は、定食屋やお弁当、惣菜、デリバリーなどの選択肢も豊富です。

必ずしも妻の手料理でなければならないという発想を、いったん手放してみてもいいのではないでしょうか。そして、普段は別々に暮らす感覚で過ごしていても、たまに一緒にお酒でも飲みながら食事をするという時間が持てると、それが意外と新鮮で楽しかったりします。

そうやって、ルームシェアのような感覚で、適度な距離感を保ちながら穏やかに暮らす。そんな夫婦関係があってもいいのではないでしょうか。

人生の後半こそ、「夫婦だからこうあるべき」「妻だからこうすべき」といった思い込みを手放して自分らしく生きる。それをお互いに認め合い、必要なときは自然に支え合えるような関係こそ、成熟した夫婦のかたちだと思います。

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