※本稿は、深谷百合子『「この型」を使って○○をわかりやすく説明してください。』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
一歩間違えると「パワハラ」になる
Q.1 遅刻した部下に注意してください
あなたの部下が寝坊で遅刻し、お客様との商談に間に合いませんでした。あなたはどのように注意しますか。まずは実際に考えてみましょう。
ここからは、ネガティブなフィードバックについての型を紹介します。部下の「問題のある行動」に直面したとき、つい感情的になってしまいますよね。とくに、迷惑をかけた範囲が広がるほど、上司であるあなた自身の負担も増え、「勘弁してほしい」という気持ちになるものです。でも、次のような叱り方は、部下を萎縮させてしまったり、あなたの言動が「パワハラ」と受け取られてしまったりする可能性があります。
行動が変わらない叱り方の例
寝坊で遅刻するなんて、社会人としての自覚が足りない。次は絶対遅刻しないように。
「社会人としての自覚が足りない」「だらしがない」「何をやらせてもダメだ」のような言葉は人格否定につながります。自分はハッパをかけたつもりでも、相手は萎縮してしまい、あなたの顔色をうかがうようになるかもしれません。
注意の目的は「行動」を変えること
叱る、注意をするというような「ネガティブなフィードバック」をする目的は何でしょうか。それは、「その人自身」を変えることではなく、その人の「問題のある行動」を変え、相手の成長を促すことです。したがって、あくまでも「事実」としての「行動」や「影響」に着目し、どうすれば改善できるのかを一緒に考えるようにしましょう。
そのために使えるのが「同意→事実→仕組み」の型です。
「同意→事実→仕組み」の型を使って注意した例
【同意】あなたにとって少し耳の痛い話をするけれど、いいですか。今日の遅刻の件で、一緒に改善策を考えたいと思います。
【事実】あなたの遅刻によって、お客様をお待たせしてしまいました。その結果、商談の時間が足りず、本来今日決めるはずだったことを持ち越す形になりました。再度日程を調整する必要が生じ、お客様にもご負担をかけることになってしまいました。
【仕組み】今回の遅刻は、どこに原因があったと思いますか。同じことを繰り返さないために、あなた自身で工夫できることはありますか。
相手にとって耳の痛い話をするときには、いきなり本題に入ると相手は構えてしまいます。まずは「これから耳の痛い話をする」ことを伝え、同意を得ることで、相手の「聞く態勢」を整えます。
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