「聴く」「問いかける」を意識する
そのうえで、問題となった行動とその影響について、「事実」を伝えます。「こういう事実があった」ということを共有する感覚で伝えるのが、感情的にならないコツです。「あなたが○○した」のように「あなた」を主語にするよりも、「あなたの○○という行動がこんな影響をもたらした」のように伝えるほうが、部下の尊厳を傷つけずにすみます。
最後に、「なぜ」ではなく「どこ」に原因があったのかを一緒に振り返ります。この例でいえば、「寝坊」に至るまでの行動を振り返り、どこに原因があったのかを探っていくのです。この過程で、「本人のうっかり」で寝坊したのではなく、「ずっと残業続きだった」「家族の看病をしていた」などの「環境要因」が浮かび上がってくることもあります。
そうした背景をふまえたうえで、どんな工夫ができそうかを問いかけて、本人に対策を考えてもらいます。
「こうしたらいいのではないか」と上司からアドバイスするよりも、本人が「自分で考える」ことが大事です。
ネガティブなフィードバックをするときほど、「伝える」というよりも、「相手の話をしっかり聴く」ことと「問いかける」ことを意識しましょう。
「報・連・相してください」ではダメ
Q.2 報告・連絡・相談をせずに仕事を進めてしまう部下に、「行動を変える必要性」を伝えてください
あなたの部下は、報告・連絡・相談をせずに仕事を進めてしまうことがあります。あなたは上司として、行動を改めてもらう必要があると感じています。部下にどのように伝えますか。まずは実際に考えてみましょう。
望ましいのは、相手が「変わらなければ」と自ら気づいて行動を改めてもらうことです。しかし、あなたが「こうするべき」「こうするのが常識」と考えていても、価値観の違う相手には響きません。そんなとき、次のように伝えても、相手の「納得感」が薄いため、行動の変化を期待することは難しいでしょう。
相手の行動に変化を起こしづらい例
「報・連・相」は仕事の基本です。勝手に仕事を進めてしまうと、ほかの人にも迷惑をかけてしまうから、ちゃんと「報・連・相」をしてください。
フィードバックするときだけでなく、相手に動いてもらいたいとき、相手に行動を変えてもらいたいときは、相手が「自分事」として受け取る必要があります。つまり、それをすることが自分にとってどのような「意味」があるのか、納得して初めて行動を起こしたり、変えたりするのです。


