コロナ禍でもスニーカー需要は底堅かった

構成比で見ると、スポーツシューズの構成比はコロナ自粛が始まった2020年度でも上がっており、それ以降毎年度上昇し続けています。2020年度のスポーツシューズの売上高は前年比16.0%減の5735億円と大きく減っていますが、売り上げ構成比は53.7%と、前年の51.1%から2.6ポイント高まっています。

紳士靴は前年比29.0%減の1191億円、構成比はわずかに11.1%とすさまじい落ち込みを見せています。コロナ自粛の状況においてもいかにスニーカー需要が底堅かったかがうかがえます。

そして、昨年11月に発表された2024年度の市場規模統計によると、紳士靴売上高は前年比0.5%増の1361億円(構成比11.0%)と微増の回復を見せていますが、スポーツシューズは売上高が前年比1.4%増の7137億円と伸びており、構成比は58.0%にまで高まっています。スポーツシューズの24年度売上高がコロナ前の19年度を上回っているのに対して、紳士靴は19年度を300億円以上下回ったままです。

24年度の市場総額が1兆2367億円と19年度の1兆3367億円を大きく下回ったままなので、いかにビジネスマンの「革靴離れ」が顕著で、彼らが代わりにスニーカーを履くようになったかがわかるでしょう。スポーツシューズの構成比は近い将来60%を必ず超えると考えられます。

靴
写真=iStock.com/MarsYu
※写真はイメージです

革靴はマニアの「趣味の逸品」に……

これらのデータからも明らかなように、靴市場全体と紳士靴、ひいてはメンズビジネス靴(通称:革靴)の売上高が縮んでいるにもかかわらず、スニーカーの売上高は増え続けています。リーガルコーポレーションの苦戦と経営悪化はリーガルコーポレーションだけの問題ではなく、革靴業界全体の問題だといえます。もちろん中には伸びているという革靴ブランドもあるでしょうが、それはほんの一握りの例外に過ぎません。

今後、服務規程やライフスタイルの回帰でも起こらない限り、従来型のメンズ革靴の需要が回復する可能性は限りなくゼロに近いでしょう。完全消滅することはないでしょうが、縮小均衡で落ち着くでしょう。

ビジネススタイルのカジュアル化がますます浸透し、スニーカー着用者は増え続ける流れは止まりそうにありません。最近では、従来型革靴を着用するシチュエーションでも、見た目は従来型の革靴なのに高いクッション性などの機能性を備えた「革靴型高機能商品」を選ぶ人が増えています。

アシックス商事が展開している「テクシーリュクス」などがその一例として挙げられます。そのアシックスは他にも、「オニツカタイガー」やランニングシューズの好調が奏功し過去最高の売上高を更新しています。業界全体のシュリンクなどどこ吹く風です。

今後、従来型の革靴はコアなファン層が愛でる趣味の逸品として細々と命脈をつなぐのではないかと見ています。

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