京葉線のダイヤは複雑すぎる

なぜJRはすでに充実していると言っていい埼京線の快速をさらに充足させる一方で、京葉線には冷たい対応を取るのか。

第一に「京葉線には並行して走る総武快速があるからだ」といった声があるが、これは理由にならない。埼京線にだって同じく宇都宮線や高崎線などの実質快速列車が走る並行路線がある。にもかかわらず、通勤快速は充実の本数で存続している。

筆者が考える京葉線の「冷遇」の理由の一つは、その複雑すぎるダイヤだ。

JRは、通勤ラッシュ帯の快速廃止の理由の1つに、快速があることによって新木場駅のホームが極端に混雑してしまう「混雑偏重」を挙げている。だが、筆者からするとこれらは本当に快速のせいなのかというと、極めて怪しい。むしろ利用者の視点で見れば、一定の間隔ごとに列車種別や方面別の列車が到着する「パッケージ型ダイヤ」になっていない点が問題である。

JR東日本209系500番代・京葉線仕様(ケヨ32編成)。蘇我駅にて
JR東日本209系500番代・京葉線仕様(ケヨ32編成)。蘇我駅にて(写真=Shokawasharyo-commons/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

京葉線のダイヤは「不整脈」

埼京線は15~20分の間に通勤快速1本、各駅停車3本といった具合に一定のリズムで列車が来る「パッケージ型ダイヤ」であるのに対して、京葉線は場当たり的に入れられるところに列車を追加し続けたようなダイヤ運用だ。そのため、快速も各駅停車も武蔵野線も、快速運転時間帯を中心に5分後に来たり15分後に来たりといった「不整脈」が生じている。間隔が偏れば特定の列車・タイミングに混雑が偏るのは当然だ。

パッケージ型にできない理由として、京葉線は蘇我駅や武蔵野線から貨物を含む列車が乗り入れてくることを考慮しなければならないとの指摘もあるが、埼京線だって池袋や大崎から貨物を含む列車流入がある点では同じで、その中でも整ったダイヤ設計を実現している。

だが、これは埼京線が線路設備条件面や列車間隔を詰めやすい最先端の信号システムにより、やりやすかったからできているという側面が強く、JR首都圏の中では珍しいケースと言える。