浜松と名古屋に挟まれオリジナル土産がなかった

豊橋でしか買えない「プレミアム感」も人気を押し上げているのではと、貴比古社長は付け加える。

有楽製菓は創業家が豊橋の出身という縁で、東三河エリアの活性化に力を入れている。マクドナルドなどのナショナル企業とのコラボを展開する一方で、「東三河の企業による地元での対面販売」する商品については、「東三河コラボ」として特別な契約をし、優遇をしている。そのため、ブラックサンダーあん巻きも東三河外での販売はできないが、その弱点が結果的に強みとなった。

お亀堂の店舗にて
撮影=山田智子
お亀堂の店舗にて

「豊橋は浜松と名古屋の間になるので、これまで豊橋オリジナルのお土産がなかったんです。豊橋で長くお菓子屋を営んできたものとして、『豊橋に来たら、これ』という名物を作りたかった。その第一歩が叶いました。

これからも、豊橋でしか食べられないお菓子を作り、お菓子を通じて豊橋の知名度を上げて、豊橋にたくさんの人に来ていただく。そういう好循環を作って、地域を盛り上げていきたいと考えています」(貴比古社長)

「雷が多い年は豊作になる」という古くからの言い伝えがある。地元を愛する老舗が「2度とやりたくない」ほど情熱を注いだ小さな「イナズマ」は、今、豊橋のまちに光と実りをもたらし続けている。

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