グレンは地球周回軌道でおしっこをした初めての人間として歴史に記録され、最先端の尿回収装置には総量800ミリリットルの尿が残された。
ちなみにこれはかなりの量だ。
無重力では膀胱に尿が溜まってもなかなかわからず、尿意を催すのは地球にいるときよりもずっと後になる。かくして一件落着。だがNASAは、男のプライドを忘れていた。
サイズを申告できない男たち
言うまでもなく、男は平等に造られてはいない。
それで問題ない。だからこそ、服のサイズには幅があるのだ。服だけじゃなく、ほかのものにも。
そういうわけで、NASAは宇宙飛行士にUCDを支給するにあたり、当然、複数のサイズをそろえた。S、M、Lから自分に合ったものを選ばせた。みなさん、話の先が読めたんじゃないだろうか。
宇宙飛行士のラッセル・シュウェイカートは1976年のインタビューでこう振り返っている。
「(UCDを)選ぶとなると、小さなプライドが頭をもたげるんだ。賢いやつはもちろんぴったりのサイズを選ぶ。大事なことだからね。だが……プライドの高すぎるやつは、MにしとけばいいのにLに手を出す。すると用を足したときに、小便の半分が漏れて自分に引っかかる。同じ過ちは二度と犯さないよ」。
シュウェイカートは自分の過ちを認めたが、サイズにまつわる劣等感は蔓延しており、NASAは提供方法の工夫を迫られた。

