便利な家が「よりよく生きようとする力」を鈍らせる

今の時代、多くの人が便利で機能的な家を求めています。

谷尻誠『建築家で起業家の父が息子に綴る「人生の設計図」』(三笠書房)
谷尻誠『建築家で起業家の父が息子に綴る「人生の設計図」』(三笠書房)

でも、簡単に「快適」が手に入ってしまえば、住人は工夫をしないし、それ以上によくする術を考えなくなる。それどころか、「家を建ててはみたものの、住み始めたらここが使いにくい、もっと便利にしたい」などと言いだす始末です。

快適ではないことを家のせいにしている時点で、「考えていない人」ということではないでしょうか。便利な家は、人間が本来持ち合わせている「よりよく生きようとする能力」を鈍らせてしまう。

僕は、いちばんの根っこの部分に「不便」があったからこそ建築家になれたし、「不便という豊かさ」を設計できる能力も手に入れた。子ども時代に過ごす家がどれだけ大切なのかを、日々改めて噛みしめています。

【関連記事】
「出光は社員を1人もクビにしない」経営難でも1000人以上を雇い続けた出光佐三の不動の"経営哲学"
トヨタでもサントリーでもない…ハーバード大学経営大学院が教材にする従業員850人の日本の同族経営企業
「本当のお金持ち」はポルシェやフェラーリには乗っていない…FPが実際に目にした「富裕層のクルマ」の真実
なぜサンリオ辻会長は「やなせたかし」に資金を出し続けたのか…詩集だけではない反対押し切り始めた新事業【2025年8月BEST】
11体のラブドールと暮らし"正しい性行為"を楽しむ…「人より人形を愛する男たち」が奇妙な生活を始めたワケ