図を拡大
プレジデント2012.1.30号「一億稼ぐ人の時間術」より。(年収1500万円以上=n307、年収500万円台=n306)

稼げる人になりたいと思うのであれば、一流の人にやり方を学ぶのがいちばんだ。営業であれば、成果を出しているセールスマンのやり方を真似る。あるいは伝説のトップセールスがいるのであれば、訪ねていって教えを請う。

彼らが、どのようなやり方で高いパフォーマンスをあげているのか。「こうなりたい」と思う人のやり方に学びながら、自分の仕事に取り入れて、実践する。私もそのようにして自分と、できる人とのギャップを埋めようとしてきた。

ところが、私がこのようなことを話すと、自分の周囲には一流のプロフェッショナルがいないと言い出す人がいる。だが、それは違う。

おそらく、一流の存在に気づいていないのだ。気をつけて見ていれば、手本となる人との出会いは至るところに用意されているはずである。

要は、一流の存在に気づく感性があるかどうかである。

これに関して、オンテックスの小笹公也会長の体験を紹介しよう。

小笹会長は、一流のスキルを吸収する達人だ。当時、小笹会長が率いるチームは、塗装業界の同業者の間でも、とにかく仕事が速いことで知られていた。

団地の建設など大規模な仕事のときには、同じ現場にいくつもの業者が入る。しかも同じ形、同じ大きさの建物の塗装をいっせいに手掛けるので、どの業者の仕事がいちばん速いか、ひと目でわかるのだ。

小笹会長たちの仕事があまりに速いので、同業者から「両手で塗ってるのか?」と呆れられたこともある。それどころか、「とてもじゃないけど、かなわん」とショックを受けて、廃業した業者もいたそうだ。

その小笹会長が、若いころにスキルを盗んだ相手がいる。

トビ職の親方である。