わかりやすく話すためには何をすればいいか。ビジネス数学・教育家の深沢真太郎さんは「話す内容が構造化されていれば、『わかりやすい』は必ずつくれる。誰かに話したいことがあれば、話し始める前にその内容をいくつかの要素に分け、それらを関連づけることで1枚の絵を描くといい」という――。

※本稿は、深沢真太郎『人生をシンプルにする 数学的思考 「速さ」よりも、やることを「少なく」。』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

オフィスで新入社員を教育するビジネスマン
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斬新なアイデアを出す4文字で表現される思考法

ビジネススキルの基本は、いつの時代も「考える」と「話す」です。もしあなたが昨日お仕事をしていたなら、その1日でしていたことを思い出してみてください。そのほとんどが「思考」と「コミュニケーション」であることに気づくはずです。

そこでまずは、「考える」という行為において私が大切にしてきたことをご紹介します。具体的には、アイデアを出す際に実践していることです。

私は斬新なアイデアが欲しいとき、頼りにしている思考法があります。

それは「合」「分」「逆」「移」という4文字で表現されます。実はこれらは数学から教えてもらった重要な思考法です。

合という字には「あわせる」という意味があります。合計という言葉は、まさに数学の領域で使われるものでしょう。あるいは図形には合同という概念があり、集合という単元名にもまさに「合」という文字が使われます。

因数分解、微分、積分など、数学は物事を細かく分けることによって新たな発見が誕生したり、難問が解決できる学問でした。数学者・デカルトの言葉とされる「難しい問題は小さく分けて考えなさい」は数学の特徴を実に端的に表現しています。

図形の問題などでは、その図形を逆さにする発想を持ち込むことで、いとも簡単に問題が解けてしまうことがあります。また、命題の「仮定」と「結論」を入れ替えたものを「逆」と呼んだりします。「2」と「1/2(2分の1)」の関係を逆数と呼びます。数学では「逆」を考える瞬間がたくさんあります。

数学には変化を科学する側面があります。「平面上を移動する」「球体上を移動する」「移動平均法を使う」など、数学には移動することで問題を解決したり、物事を説明しようとすることが多々あります。