※本稿は、越川慎司『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(アスコム)の一部を再編集したものです。
ITツールを使いこなしているのは4人に1人
本書で、「1.2万人を調査したところ、仕事でITツールを使いこなしている人は、全体のたった24.3%であることがわかった」とお伝えしました。
たとえば、「社内メールで添付書類をやり取りするより、クラウドストレージサービスのOneDriveやGoogleドライブなどに1つのドキュメントを格納して、ドライブ内で編集履歴付きの共同編集をやったほうが便利ですよ」と伝えても、やっぱり、やり取りはメール添付を使って、その資料は、マイドキュメントとかデスクトップに置いてしまう人が多いんですね。
仮に何かしらのシステムを導入しても使い方がわからなければ、真価を発揮できないわけです。導入してからが本当のスタートなのに、これではまるで導入がゴールのようです。
いったいなぜ、残り4分の3の社員は、せっかく導入されたITツールを活用しないのでしょうか?
答えは簡単です。多くの人は「使い慣れたものをずっと使っていたい」からです。使い慣れた古い機能と、使い慣れない新しい機能のどっちも使ってもよいなら、よほど腑に落ちないかぎりは、古い機能のほうを使います。そのほうがラクなのですから、道理ですね。
その多少の使いづらさに慣れることを拒否して、新しいものにシフトしないでいると、どんどん時代遅れになって、周りからおいていかれてしまいます。
「効率が上がる」と言われても…
あなたが、新しいITツールを社内に定着させなければならない立場だとしたら、いったい、どうやってそれを普及させればよいのでしょう? あなたがいくら、「新しいこのツールを使えば、業務効率がアップします」と、訴えても、なかなか使ってくれる人が増えないとき。いったいどうすればよいのでしょうか?
人は、他人から「やらされている」「命令されている」と思うと、その物事に積極的に取り組めません。ましてや、今までの慣れたやり方を否定されているのであれば、なおさらです。
説明する当事者はつい「私(あるいは会社)」を主語にして話しがちです。「実際にツールを使う人」が主語になっていないのです。
使う人にとっての「自分ごと」にするうえで大事なのは「目標」と「指針」の2つ。ツールの導入一つとっても、単なる効率化だけではない目的があるはずです。
たとえば、部署の「売り上げアップ」というゴールに対して、ツールの導入でどれくらいの経費削減ができるか、という目標を掲げます。そのために全員がツールを使うという指針を示して、ツールに消極的なベテラン社員も巻き込んでいきましょう。

