※本稿は、越川慎司『AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣』(アスコム)の一部を再編集したものです。
上司からの「差し戻し沼」に陥らない方法
会議の資料や提案書など、上司からの指示を受けて、何日もかけて作成したあなた。締め切りの前日に持っていくと、資料を見た上司から、耳を疑う言葉が。
「なんなんだ、この資料は? 指示したこととぜんぜん違うじゃないか! 今晩中に作り直してくれ!」(うそ! 指示どおり作ったはずなのに!)
そう思ってもあとの祭り。結局、翌日の会議の直前まで修正に追われることに。締め切りがあればまだいいほうかもしれません。
自分では、もらった指示どおりに完璧に作ったと思って、自信満々に見せた資料が全否定されて、差し戻し。一から全部作り直して再度提出すると、またしても差し戻し。また、全部作り直して持っていったら、また、差し戻し……。最終納期がなくて、差し戻しの理由もわからないと、そのような底なしの「差し戻し沼」にハマってしまう可能性もあります。
そんな、ボタンのかけ違いに起因する「差し戻し沼」にハマらないための解決策として、私が提唱しているのは、「フィードフォワード」という方法です。「フィードバック」というのは、終わったあとに意見を聞くことですよね。これに対して、「フィードフォワード」は、作成途中で意見を聞くということ。
「20%の出来」で上司に持っていく
たとえば、上司から指示されて資料を作るときは、だいたい全体の20%くらいまで(2枚程度)できたら、「こんな感じで作っているのですが、イメージは合っていますでしょうか?」と、ゴールイメージがずれていないかを聞いてみるのです。なんなら、資料を作りはじめる前に、資料の目次や予定ぺージ数を先に見せるのもよいでしょう。
そうすれば、それを見た上司は、「30ページなんてとんでもない。3ページでまとめてくれればいいよ」とか、「目次のこれとこれは要らない」とか「もう少し、データを中心にまとめてくれないかな」なんて、言ってくれるはず。
たぶん、その言葉を聞いたあなたは、「もし、フィードフォワードしないで、最後まで資料を作っていたら、どれだけ時間をムダにしただろう」って、胸をなでおろすことでしょう。
2万5327人を対象に、この「フィードフォワード」を実施した結果、なんと、差し戻しが74%も減る(20代では87%減!)という結果が出ています。効果は絶大ですので、資料づくりの際は、ぜひ、実践してください。
なお、この「フィードフォワード」は、お客様に対しても有効です。お客様への提案書も、2割くらいまで完成したら、「こんな感じで、求めておられるニーズと合致していますか?」と、お見せしてしまうのです。それだけで、お客様に対して、「ネガティブサプライズ」の提供を避けることができ、成約率が2割アップするという結果が出ています。


