管理職不足がシニアの転職価値を高めている
勤続年数に応じて給料が上がる時代は終わり、ポスト終身雇用の時代を迎えたいま、会社は個人を守ってくれません。労働人口は減る一方ですから、個人と会社の立場はむしろ逆転したといえます。
仕事内容や待遇に不満を抱えながら、何十年も働く時代は終わりました。キャリアも働き方も、自分で選ぶ時代が始まったのです。
70歳定年が近づき、職業人としての寿命は延びています。従来は一度が普通だった転職を、3〜4回繰り返すのが当たり前になるでしょう。働く目的は、自分の市場価値を高めること。いわば“自分株式会社の時価総額を最大化すること”にあって、転職はそのための積極的な手段です。
最近は、ミドル層、シニア層の転職が活発です。理由は圧倒的な人材不足。特に引く手あまたなのが、マネジメントのできる管理職です。スタートアップ企業でも組織が大きくなれば、管理職が必要です。ところが最近の若い世代は、求められるタスクの多い管理職に就きたがらないのです。
ただし、高収入だけにつられて転職するのは禁物です。実力が伴わなければ給料は上がっていかず、キャリアが終わってしまいかねません。自分の市場価値を高めれば、転職を繰り返すたびに収入は上がると考えるべきです。
転職とキャリアに対する考え方を、アップデートさせる必要があります。いまの時代のいわば「転職2・0」で大事なのは、自分への「タグ付け」と、自らの発信です。人材を求めている企業やキャリアコンサルタントから見つけられやすいように、X(旧ツイッター)やインスタグラムで使っているハッシュタグを自分自身に付け、進んで発信することが欠かせません。
具体的には、「ポジション×スキル×業種×経験×コンピテンシー」という括りで、自身にタグを付けます。コンピテンシーとは、キャリアを通じて変わることがない強みのこと。言い換えれば、再現性のあるスキルです。これには2種類あって、ハードスキルとしてわかりやすいのは、資格やTOEICの点数など。ソフトスキルには、経験から身に付けたコミュニケーション能力や誠実性、リーダーシップなど、目には見えない能力があります。
下図の下の表は「中小自動車部品メーカーで営業職をしている31歳の男性」を想定したタグの具体例です。これに倣い、あなた自身のタグ付けを実際にやってみましょう。これまでどういう成果を上げてきたかがわかるように、ポジション、スキル、業種、経験、コンピテンシーの項目別に、エピソードを書き出すのがお勧めです。
目指す自分の姿から必要なスキルを逆算する
といっても自分のことは、自分ではわかりにくいもの。私がお勧めするのは、友達との「他己紹介」です。3、4人でやると、気づかなかった自分の評価や強みを客観的に把握できます。
そうやって現在の自分の市場価値を把握したら、タグと一緒に「いま何をしている」「いま何に興味を持っている」「将来は何をしたい」の3点を合わせ、SNSで発信します。タグを付けて自分の情報を発信するのは、検索に引っかかりやすいキーワードを入れるのと同じ意味です。希少な人材ほど待遇が良くなるのは、市場の原理です。
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント




