世界のキャベツはもっと高い
日本貿易振興機構(JETRO)が2024年に調査した海外の市場価格を見ると、この日本の「危機」は、すでに世界の「現実」であることがわかる。価格はターゲット層や店舗の形態によって幅があるが、500円というラインがいかに現実的かが浮かび上がる。
ニューヨーク(米国):アッパーミドル層向け店舗では4.21ドル(約650円)だが、ローワーミドル層向けでも2.98ドル(約460円)で販売されている。
ソウル(韓国):アッパーミドル層向けで9000ウォン(約960円)という高値がつく一方、ローワーミドル層向けでも3490ウォン(約370円)と、日本の高値時に近い価格だ。
シドニー(豪州):8.80豪ドル(約890円)で並ぶ一方、アジア系スーパーでは2.80豪ドル(約280円)と価格差も大きい。
※為替レートは、2025年11月10日時点:1ドル=約154円、1ウォン=約0.107円、1豪ドル=約101円で計算
私たちが「高騰だ」と驚く500円という価格は、海外の主要都市ではアッパーミドル層向けの価格として、すでに「当たり前」に受け入れられていることがわかる。そして重要なのは、ローワーミドル層向けの価格でさえ、日本の「平時」の価格(150〜200円)をはるかに上回っているという事実だ。
価格が高騰しても「農家が儲からない」ワケ
それもそのはず、日本のキャベツの年平均卸売価格は、何十年もの間「1kg=100円前後」という驚くべき低価格で安定してきた。海外と比較しても、日本の「平時」の価格がいかに安かったかが分かる。この「安すぎた平時」と「高騰する有事」の激しいギャップが、「野菜が高いのは、農家が儲けているからだ」という誤解を生むのだ。
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