年1回以上の実施は法律上の義務
会社に勤められている方の多くが、「あなたの仕事について、最もあてはまるものにマルをつけてください」というようなストレスチェックを受けたことがあると思います。
実は、このストレスチェックは従業員が50人以上の事業場では年1回以上の実施が労働安全衛生法によって定められており、会社側はストレスチェックの実施結果を労働基準監督署に報告する必要があります。
従業員が50人未満の事業場ではストレスチェックは努力義務となっていますが、今年5月に行われた法改正により将来的には義務化される見込みとなっています。
医師。精神科医。医療法人社団こころみ理事長。産業医を経て、2017年に元住吉こころみクリニックを開院。首都圏を中心に、9院、4FC院を運営する経営者としても活躍中。現在は東京・八丈島で巡回診療所の展開など、社会インフラとしての医療活動にも精力的に取り組んでいる。
このストレスチェックで「高ストレスの可能性がある」と結果が出て、「もしかしたら自分はうつ病なのではないか?」と心配になってしまう方もいるかもしれません。逆に、日々忙しく働かれている方の中には、ストレスチェックになんとなく回答し、結果も流し見して終わり……という程度の方も多いと思います。
そこで、ストレスチェックを軸にメンタルをどう健康に保つか、そして産業医とどうかかわっていけばいいか、ということについてお話しできればと思います。
大前提として、ストレスチェックは従業員自身がストレスの状況を理解して、メンタルの不調を抱える前に対処をする効果や、そのストレスに対して、セルフケアができるように手助けをする、といった目的で実施されています。
また、ストレスチェックの結果を基に集団分析を行い、職場におけるストレスの原因の特定や改善を促すといった側面もあります。
では、ストレスチェックでは一体何を検査しているのでしょうか? 厚生労働省の労働安全衛生規則では、最低限必要な条件として以下の3つを調査することが規定されています。
① 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
② 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
③ 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
つまり、働く人にどのような負担がかかっているか、それを自覚しているか、それについて職場や家族からのサポートが受けられているか、仕事をコントロールできているか……ということを調査しているということです。
ストレスチェックの実施自体は義務化されているものの、どういったチェックを行うかは事業者に委ねられています。多くの場合、厚生労働省が推奨する『職業性ストレス簡易調査票』という57項目のストレスチェックが使用されており、この調査票は質問が23項目、80項目、120項目のバージョンを含めると4種類がありますが、科学的根拠があり、前述の3項目がチェックできるストレスチェックであれば、医師や医療機関に作成してもらったオリジナルのものを使用しても問題ありません。
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