“強い雨と風”以外の3つの脅威

「台風」と聞いて、読者のみなさんは何を思い浮かべますか?

台風による災害は、大雨や暴風だけではありません。

1.高波

まず、海の波が高まる「高波」です。台風が遠く離れていても影響します。

その場で吹く風によってできる風浪(波長の短い波)と、離れた場所でできた風浪が伝わってできるうねり(波長が長い波)をまとめて波浪といいます。

台風のように風が強く、規模の大きい現象では、台風から離れたところまでうねりとなって高い波が伝わります。

2.高潮

海面の水位(潮位)が高まる「高潮」も発生しやすくなります。

高潮は台風の接近などで気圧が低下して海面が上昇する吸い上げ効果と、強い風で海水が吹き寄せられて海岸の海面が上昇する吹き寄せ効果によって生まれます。

台風の進路のすぐ右側では両方の効果があるため、危険な高潮が起こりやすいのです。

3.竜巻

台風の周囲の雨雲がかかるようになると、進路の右前方で「竜巻」が発生しやすくなります。

台風は中心に近いほど風も雨も強く、「暴風」に警戒が必要です。とくに台風の進路のすぐ右側では、台風自身の反時計回りの流れに台風の移動速度が重なるので、最も風が強まります。

「予報円」は「台風の大きさ」ではない

気象庁ウェブサイトの「台風進路予報」を確認し、住まいの地域の災害を想定しておきましょう。

「予報円」は台風の大きさではなく「予報された時刻に台風の中心がある確率が70%の円」。言い換えれば、予報円の外に台風の中心がくる確率が30%もあるということ。最新の台風情報をチェックすることが大切です。

2024年台風第10号の際には、台風の中心が九州地方にある段階で、東海地方が大雨に見舞われました。

台風は非常に多くの水蒸気を伴っており、台風本体の雨雲がかかっていない地域でも、台風自身の反時計回りの流れに乗って、南から多量の水蒸気が流入して山地の斜面で持ち上げられ、雨雲が発達して大雨になることがあります。

さらに台風の中心から1000km以上離れた場所でも、梅雨前線や秋雨前線などの停滞前線があると、大雨が発生することがあります。

この遠隔豪雨は、台風由来の多量の水蒸気が流入して前線の近くで雨雲が発達するのが主な要因です。

遠隔豪雨の後に台風の本体がやってくると、さらに雨量が増えて大規模な水害が発生することも。気象情報を確認して天気の変化に気をつけましょう。