役員になるまで、技術者として研究一筋25年。日本特殊陶業社長の川合尊氏は「亜流のセンサの研究で、ずっと敵は社内。誰も相手にしてくれないので、なんでも自分たちでやった。その経験や知識がすごい役に立った」と語る。「小さい部署であがいていた人は、経営者としてはいい」。日が当たっていない部署だったことが、むしろ幸いだったと言うのだ。楠木建氏も「全体を動かす仕事の経験を持つ人が、会社にいっぱいいるのは大切なこと」と同意する。攻撃的に成長分野に投資する経営者としての姿勢は、どのようにして生まれたのか。その背景を探り、川合氏の思考回路に迫る前編。
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