江戸時代の金融政策の歴史を辿ることで、現代の経済政策の道が見えてくる。金融緩和・積極財政か、金融引き締め・緊縮財政か。その匙加減はどうするべきか、江戸時代を見れば、解がそこにあるのだ。
財政難の窮地を金融緩和が救う
「江戸幕府は慢性的に財政難だった」というところから話を始めましょう。
徳川家康が天下を取ったのは、織田・豊臣時代にあまりに強力な中央集権化が進められたのと、朝鮮出兵など戦争続きで各国が疲弊した反動で、有力諸侯が「もう領地や富の奪い合いは止め、現状維持でいこう」と“なあなあの体制”で結託したからでした。
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(編集・構成=渡辺一朗)

