億を超えて「兆」のお金を動かす、世界有数の超富裕層は、どのような問いを通じてお金を稼ぐのか。ゴールドマン・サックス投資部門に17年勤め、世界中の資産家とビジネスを重ねた田中渓氏が、彼らの「質問力」を明かす──。

GS勤務17年が明かす超富裕層の「質問の目的」

私は新卒でゴールドマン・サックス証券に入社し、多くの富裕層と出会いました。同僚の中には年収1億円を超える人が少なくありませんでしたし、産油国の王族など「兆」を超えるお金を扱う規格外の富裕層との出会いも数多くありました。

彼らが富を築いたり、億単位のお金を動かす際には、質問力が大きくかかわってきます。それは、質問する目的が明確だからです。一般の人が質問をするときの目的の多くは、情報量を増やすことです。それに対して超一流の人は、自分自身の「判断の質」を高めるために質問をします。超一流の人には、さまざまな選択肢があります。ビジネスにしても資産運用にしても、さまざまな案件が次から次へと持ち込まれてきます。その中には怪しい話もあります。彼らは忙しいので、短い時間の中で決断をしなければなりません。そのために質問し、判断材料にするのです。

彼らはその場で結論を出すことを信条としており、判断を持ち越しません。だから、質問によって相手から何を引き出すかが重要になるのです。彼らの質問に感情が入る余地はありません。時間内に必要なことを根掘り葉掘り聞いてしまいたいと考えているだけです。質問を受ける側も時間内にすべてを伝え切らなければならないので、緊張感の中でやり取りが行われます。