質問をするとき「詰問」になっていないか
相手に敬意を持って接することは、それほど難しいことではありません。相手が年長者だったり役職が上であったりすれば、誰でもほとんど無意識に敬意を持っているからです。
ところが相手が年下や部下だったり、気の置けない同僚だったり、自分が発注する立場だったりすると、ついついぞんざいな口調になってしまいます。家族に何か言うときなどは遠慮がありませんから、なおさらでしょう。でもそのせいで、もしかしたら相手は不快感を覚えているかもしれません。
注意が必要なのが、「質問をするとき」です。特に、立場が上の人が下の人に何か聞くときは、気をつけないと相手を追い詰める「詰問」になってしまいやすいからです。
近頃では上司と部下が定期的に一対一の面接(いわゆる「1on1」)を行うことが一般的になりました。この機会を利用して部下の本音を引き出したり、成長を助けたりすることができればいいのですが、質問の仕方がまずいばかりに相手が圧迫感を感じたり、「責められている」と感じたりすることも少なくないようです。
そこで今回、シチュエーション別の質問フレーズについて考えてみました。想定したのは、どれも一歩間違うと相手を傷つけたり怒らせたりするかもしれない状況です。「こんな言い方をされたら腹が立つだろうな」という聞き方に対して、これをどう言い換えれば真意が伝わるか。
例題を検討する中でわかったことがあります。それは、あまり考えずに口をついて出てきがちなフレーズほど一方的だということです。つまり自分の中に期待する答えがすでにあって、それを相手に言ってほしいとか、「こんなときはそう答えるものだ」という「決めつけ」がある。それ以外の場合を想定していないのです。これでは何のために質問するのかわかりません。
本来、会話は双方向のやり取りで進んでいくはずです。相手が何を言うかは、話を聞いてみなければわからない。ところが悪い聞き手は、相手が自分の望むように答えることしか想定していない。双方向性に欠けるのです。
たとえば上司が部下に「どうして納期に間に合わないの?」と聞いたとします。この言葉の裏は「間に合って当然なのに、どうしてできないんだ」という責めるニュアンスがあります(私もどうかするとこのような言い方をしてしまうので反省しなければいけません)。こんな聞き方をされたら、相手は遅れる理由を説明するどころではなく、謝るしかなくなります。
そしてもう一点、良くない聞き方に共通するのが、結論を急いでいるような感じがすること。「それって意味あるんですか」「つまり、何が言いたいんですか」というように、相手の話をよく聞かずに決めつけている。結論を急ぐ人たちは、言ってみれば「自分の脳内の結論に合わせろ」と命令しているようなものです。だから相手に選択の余地を与えていない。
もちろん「ビジネスの現場ではそんな悠長なことを言っていられない」という意見もあるでしょう。しかし本当は双方とも予断のない白紙の状態で話し合いに臨み、相手の話した内容次第で、自分も何を話すかを変える。
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