太った人の存在が許されぬコミュニティ
太った女性は、「空気のような差別」を受けます。飲み会や旅行で声がかからないし、男性はほとんど視線を合わせませんよね?
私も一昨年から1カ月に約1キロずつ太って、昨年は一時60キロ(身長158センチ)に達しました。「またおめでた?」とまで言われましたが、食生活と運動習慣の改善で52.6キロに。「差別」から逃れ、自信を得ることができました。
そんな女性の“ヤセ願望”を、男性は異常だと感じているようですが、まず知っていただきたいのは、女性の“ヤセ”は男性にモテたいがための“ヤセ”ではないということ。理想の自分、いわばロールモデルに近づきたいんです。
その理想像が、人気モデルやタレントさん。ああいうスタイルになりたい、ああいう服を着たい、みんなの前で堂々と話せる自分でありたいんです。レズビアンでも何でもありません。顔は変えられないから、髪形やファッション、体形で近づこうとするんです。
でも、モデルやタレントさんは標準体形よりかなり細いし、肉もついていません。私は直にたくさん見ていますが、やっぱりガリガリで細すぎますね。男性から見れば、ボディマス指数(BМI、図参照)が20~22でも余裕でOKなのに、女性は頑張って18以下を目指すというギャップは、こうして生まれるんです。
ですから、女性にモテたい、社長になりたいといった男性の自己実現の願望を、そのまま女性に当てはめるのは無理があります。そういう願望を持つ女性は、皆無とはいいませんが少数派です。
やや語弊がありますが、女性は1回に1人しか子供を産めませんから、大勢にモテても無意味。少数精鋭でよりよき人を探したい。
そこで、女性は男性のスクリーニングをかけ続けます。広瀬香美さんの「ロマンスの神様」の歌詞に女性が共感するのはそこなんです。いい人がいると、「年齢、住所、趣味に職業さりげなくチェック」して「待っていました、合格ライン」。そこでサングラスを取って「素顔がカッコいい」とやっとOK。会って即ホテルに直行しようとするカン違い男は、この距離感に気づいていません。