(PIXTA=写真)

ファイナンシャル・プランナーはパソコンでライフプラン表を作るが、川田家では手計算して、大きな紙に手書きしている。イベントの欄には子供がイラストを描き、みんなで楽しみながら表を作っていく。こうすることで、家族全員が目的を共有できるのだ。毎年4月には貯蓄の達成度をチェック。数字を修正したり書き加えたりして、読みにくくなれば作り直すことにしている。ボロボロになった表は、家族の歴史の大切な記録だ。

日常の家計管理は妻が担当。家計は全般に節約が行き届いてムダがない。夫のこづかい月2万円はやや少なめだが、昼食は弁当持参なので、なんとか足りる。弁当代も含めて食費が月3万4000円ですんでいるのは、実家から野菜や米などの食材をもらえるという理由もある。

川田さんの実家は農家で、両親は兄夫婦と暮らしている。車で1時間ほどの距離なので、少なくとも月に1度は子供たちを連れて顔を見せにいく。子供たちも従兄弟たちと遊ぶのを楽しみにしているようだ。ときには洋服や文房具のお下がりを頂戴することもある。多少ガソリン代がかかるとはいえ、精神的にも物理的にも実家と仲よくするメリットは大きい。

膨らみがちな教育費も月7000円に抑えている。子供たちの習い事は1人1つで、長男は町内のサッカーチームに入り、長女は近所の太鼓教室に通っている。どちらもボランティアが主宰していて月謝は安い。また、道具代があまりかからないのも隠れたポイントだ。大学進学資金はそれぞれ18歳満期の学資保険で準備中。毎月の保険料には2人分の学資保険が含まれる。このほかの保険は夫婦とも最小限の共済だけに加入している。

マイホーム取得は3年後の予定。600万円を頭金にして、諸費用込みで2300万~2400万円ぐらいの住宅を購入するのが目標だ。頭金を少なくすれば今すぐに買うこともできるが、頭金をできるだけ増やして少ない借入金で購入するのが川田さんの方針。もし頭金600万円で2300万円の家を買い、1700万円の住宅ローンを組んだとすれば、返済期間30年、金利2%だと毎月返済額は約6万3000円。現在の家賃5万4000円より増えるが、3年後には下の子も小学校高学年になるので、妻がパートを増やせば十分に対応できるだろう。

下の子が社会人になるころ、川田さんはまだ50代初め。それから準備すれば、老後資金はなんとか間に合いそうだ。