山内家の状況
――看護士の妻は子育てに専念中
【家族構成】[夫]32歳 会社員、市民ランナー[妻]31歳[長男]2歳
中堅電子機器メーカーでエンジニアとして働く山内さんは市民ランナー。就職したときに健康管理を目的にスポーツジムに入会したものの会費が高いのですぐにやめ、費用のかからないランニングを始めたのがきっかけだ。今では年に数回、フルマラソンの大会に参加している。
看護師として働いていた妻は、子供が生まれてからは子育てに専念中。以前は一緒に走っていただけに、夫の趣味を応援してくれるのがありがたい。
手取り収入は毎月約24万円。ランニングを続けるために多少の出費は必要だが、それ以外にはお金をかけない方針だ。筋力アップを兼ねて自転車で通勤し、車は不要と判断して持っていない。夫婦ともに1人っ子なので、いずれは親の家を相続するためマイホームを買うつもりもない。服もたまにトレーニングウエアを買うぐらいだ。
子供がもう少し大きくなったら、今度は家族みんなで走りたいと思っている。「いずれはホノルルマラソンに参加したい」というのが夫婦の夢だ。そのためにも、着々と貯金を増やしたいと考えている。
北見久美子FPの診断
――ムダも見栄もない筋肉質家計
山内家の家計の最大の特徴は、徹底した合理主義を貫いているところにある。誰もが持っているものでも、自分で不要と判断したら決して買わない。見栄を排除し、必要なものだけにお金をかけるのが山内流だ。
たとえば、山内家ではこれまで車を持ったことがない。山内さんは自転車で通勤しているし、普段の買い物は基本的に生協の共同購入を利用して宅配にしている。これならカタログを検討してから申し込むので衝動買いをしないし、紙オムツのような大きな荷物も運ばなくてすむ。それ以外のものは、散歩を兼ねて子供と一緒に近所のスーパーまで買いにいく。今のところ、車を持つ必要性は感じていない。
携帯電話も山内さんが1台持っているだけ。妻も働いているときは携帯電話を持っていたが、今は家にいるので携帯電話は特にいらないと判断した。自転車通勤の山内さんには外でネットを見る機会もなく、通話にときどき使うだけだ。このため、通信費は固定電話と合わせて月6000円ですんでいる。「通信費にお金をかけるのはムダ」というのが山内家の考え方だ。