▼阪部哲也さんからのアドバイス
学びたいテーマがあるとき、私はその分野の第一人者のセミナーに行くことにしています。その分野を切り開いた第一人者は、後発の人にないオリジナルな考え方や経験を持っているものです。
最短最速でトップに上りつめた人の話も貴重です。最短最速で成果を出した人の多くは、余計なことを端折って、本質的なことだけにすべてを注ぎ込んでいるからです。同じ時間を使うなら、そうしたものに触れられるセミナーのほうが得るものは大きい。
ただし、一流だからお金はかかります。私がよく行くのは、1回4万~5万円のセミナーです。高いと感じるかもしれませんが、世界レベルの第一人者が講師を務めるセミナーであれば当然、費用もかかります。こうしたセミナーに年間50万~100万円は投資しています。
もちろん元はしっかりと取りたいところです。私が心がけているのは、必ず何か1つ質問して帰ることです。
ジャック・ウェルチにコンサルティングをしていた人物に、ほかの出席者が「何を教えていたのか」と質問したのを聞いたことがあります。彼の答えは「エゴの抑え方だ」というものでした。これは経営も突き詰めれば最後は人間力になるという意味だと解釈しましたが、このやりとりを見て、質問こそ最高の学びの機会だと再認識しました。
第一人者に質問するには、それなりの準備が必要です。やるべきことを何もやってない人が中身の薄い質問をすると、一刀両断にされます。第一人者と向かい合って気後れしないようにするには、普段から自分にできることをやり尽くしておくことも必要です。そうした意識を持てることも、第一人者のセミナーの効果の1つだと思います。
1973年、奈良県生まれ。同志社大学法学部卒後、旧富士銀行、不動産会社、リクルートエージェントなどを経て、エグゼクティブサーチファームであるKANAEアソシエイツ設立。「日本ヘッドハンター大賞」金融サービス部門で最優秀賞受賞(2011年)。