「成長」といって想起されるのは、20~30代の若手社員であることが多い。しかし、企業にとって重要なのは、実は40代以上の社員が「学ぶ」ことにある、と筆者は説く。

戦略と市場の差別化には働く人の成長が不可欠

社員の成長は、組織活性化の源泉である。誰でも振り返ってみればわかるように、昨日までできなかったことができたときの喜びは、先へと進む原動力となる。多くの人にとって、成長感をもつとき、大いに働きがいを感じ、意欲が高まるのである。また、こうした仕事を通じての成長や成長感を、働く場所の選択において重視する人材も増えてきた。

さらに、社員の成長は、経営の視点からも重要である。競争においては、いつも同じことをしていては、いずれは競争相手に追い抜かれる。常に新たな市場を模索し、ほかとは異なった戦略をもって、そこに果敢に切り込むのがビジネスの鉄則である。戦略と市場の差別化は、働く人の成長なくしては達成できない。