がんばっているのに成果が出ない。そう感じているビジネスパーソンも多い。第一線で活躍し続けるにはもちろん、自己研鑽が必要だ。だが、その勉強 は本当に、仕事の役に立っているのだろうか。ハイパフォーマーの学びの習慣を、600人アンケートの結果を交えながら紹介しよう。
▼木暮太一さんからのアドバイス

自分は国内の仕事だから、英語は必要ないと考えている人も多いかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。私はむしろ、ドメスティックな職業こそ、危機感を持って意識的に英語を学ぶ必要があると考えています。

もとから海外と取引がある会社にいれば、仕事をしていくうちに否が応でも英語を覚えます。一方、国内向けの商売をしている人は、強制的に英語をマスターする機会がない。そのため自分で思い立たなければ、いつまで経っても英語ができないままです。いまの20代や30代の場合、将来が大変と思います。

私は学生時代に100万円のローンを組んでスクールに通い、約2年間、徹底的に英会話を学びました。おかげで一定のレベルまで習得できましたが、ふたたび集中的に勉強して英語力をメンテナンスする予定です。

作家というのは非常にドメスティックな職業です。使わないからという理由で放置していたら、英語力が錆びついて将来のチャンスを逃してしまう。それを避けるため3カ月で一気に勉強して引き戻すつもりです。

英語と同様、これからの時代に必要となるのがITスキルです。ITスキルというと、アプリケーションの使いこなし方に目がいきがちです。しかし、それ以上に重要なのは、ハードを使いこなすスキルではないでしょうか。

たとえば、歩いているときに何かアイデアが浮かんだとします。このときノートPCを使っている人は、起動時間やスペースを考えて、メモを後回しにするかもしれません。一方、iPhoneであれば、その場で立ち止まって入力ができる。こうしたハードの差は、Yahoo!メールを使うか、Gmailを使うかの違いより大きいはずです。自分の行動や働き方は、ハードによって大きく制限されます。アプリケーションも大切ですが、まずは自分に最適なハードを選ぶことを意識してください。

木暮太一●作家
1977年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て、独立。大学在学中に自主制作した「気軽にはじめる経済学シリーズ」はロングセラーに。著書に『今までで一番やさしい経済の教科書』など。