今日から「本当に質の高い会議」は実現できる

「意見や提案を聞くフェーズ」ではリーダーは聞くことに徹して、都度評価はしません。そうして提案や意見が出尽くしたら、司会の仕切りで「意思決定するフェーズ」に移行します。ここでもあらかじめ“決め方を決めておく”ことが大切です。

「皆さん有意義な提案を出してくれてありがとう。どの意見も良かったけれど、どれかに決めなければいけません。私がその役割なのでこれから決めますが、いいですね? 決まったら皆で一丸となって、プランを前進させるために協力してください」

こうした手順を踏んで決定を下せば、採用されなかった提案をした人も納得します。それでも不満がくすぶるなら、会議ではなく人間関係に問題があるのかもしれません。

これまで“決まらない会議”が常態化してきた職場では、誰も会議に期待していないかもしれません。それでも会議は開かれる。ならば会議を変えましょう。

最初はぎこちないかもしれません。それでも会議で課題が解決する、意見や提案が生かされる、プロジェクトが前進するといった手応えが感じられれば、少しずつ認識は変わってきます。

会議に対する期待値が上がれば、職場の空気が変わります。会議に向けて皆が準備し、短時間で密度の濃い議論が交わされ、決定の透明性が増し、経営にスピード感が生まれます。企業風土を変えるのは大変ですが、会議を変えるくらいは今日からでもできるでしょう。質の高い会議を積み重ねていけば、いずれ会社のカルチャーも変わります!

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年10月4日号)の一部を再編集したものです。

(構成=渡辺一朗)
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