姿勢は心理に大きな影響を与える

ハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を取る社会心理学者エイミー・カディ教授は、姿勢とボディランゲージ(非言語行動)の重要性を強調しています。

姿勢とボディランゲージは、人に与える印象だけでなく、自分自身の心理状態にも大きな影響を与えるからです。

彼女のある実験では、被験者のグループをランダムに2つに分けて、1つ目のグループには、ハイパワーポーズと呼ばれる自信のある人がよく取るようなポーズを2分間取ってもらいました。

ハイパワーポーズは、立ちながら両手を腰に当てて、仁王立ちをするようなポーズだったり、椅子に浅く腰かけて、踏ん反り返りながら両手を大きく広げるポーズだったりします。

いずれも身体がしっかり開いていて、視線が自然と上を向くような姿勢です。

姿勢の違いが脳内のホルモンに影響

一方、もう1つのグループにはローパワーポーズと呼ばれる自信なさげな人たちがよく取るポーズを2分間取ってもらいました。

ローパワーポーズは、何かから自分を守ろうとする時に取るようなオドオドした姿勢、身体を閉じ、腕で胸のあたりを覆うような姿勢で、視線はうつむき気味です。

実験では、このわずか2分間の姿勢の違いが、脳内の2種類のホルモンに大きな影響を与えることがわかりました。

写真=iStock.com/metamorworks
姿勢の違いが脳内のホルモンに影響(※写真はイメージです)

1つは、支配性のホルモンであるテストステロン、もう1つはストレス度を表すホルモンであるコルチゾールです。

ちなみに、優れたリーダーシップを発揮するリーダーは、高いテストステロン値と低いコルチゾール値を持つと言われます。支配性が高く、ストレスが少ないという状態です。