睡眠の質を左右する「深部体温」と「自律神経」
ちゃんと寝たはずなのに、朝からすっきりしない。仕事を始める頃にはもうヘトヘトになっている、という人も多いのではないでしょうか。
その原因は、睡眠の質が悪いこと。質のいい睡眠をとれるかどうかは、「深部体温」と「自律神経」という2つの体の仕組みが大きく関係しています。
人間の体温というのは、体の表面の温度である「皮膚温」と、体の内部の温度である「深部体温」の2種類があります。睡眠のリズムをつくってくれるのが、このうちの「深部体温」です。
日中は、脳や臓器の働きを守るために深部体温が高く保たれていますが、夜にかけて自然と下がっていきます。たとえば朝の7時に起きた場合、もっとも体温が高くなるのは18時ごろで、そこからは徐々に下降します。
人間の体は深部体温が下がると眠くなるようにできているので、疲れをとるのに有効な深睡眠をとるには、このリズムが整っていることが大切です。
つまり、深部体温をうまくコントロールできれば、自然な眠気がおとずれてくれるのです。
もう一つの鍵となる自律神経は、人間の心身の働きをコントロールしているシステムです。
自律神経には、心身を活動状態にする「交感神経」と、リラックス状態にする「副交感神経」の2つがあり、これらを上手に切り替えることが、深睡眠をとるためには大切です。
なぜ中高年になると疲れがとれなくなるのか
しかし、副交感神経の働きは加齢によって低下することがわかっており、男性は30代ごろ、女性は40代ごろから低下が見られます。
休みの日、若いころはお昼すぎまで寝ていられたのに、いまは平日と同じ時間に目が覚めてしまう……そんな人も多いのではないでしょうか?
中高年になると、若いころに比べてぐっすり眠れなかったり、疲れがとれにくかったりというお悩みが出てくるのは、交感神経ばかりが強く働くようになってしまうためなのです。
そこで、これらを整えるために効果的な生活習慣が、入浴です。