メラトニンは食べ物を原料に作られますが、夜に人工的な光を浴びていると分泌がさまたげられてしまいます。深夜までテレビやネットを見ていたり、明るいコンビニへ買い物に行ったりしていないでしょうか?

入浴に工夫し、メラトニンの分泌をさまたげないことで、深部体温が下がるタイミングで訪れる眠気のピークをつかまえることができます。

ちなみに冷え性の人は、血行がよくないために深部体温の上下動が小さく、眠気が訪れにくいという傾向があります。靴下などで外側から温めるよりも、血行を促して体を内側から温めることを意識しましょう。

タイプ② 途中で起きてしまう、ひと晩中うとうとしている

寝ている途中で何度も起きてしまうことを「中途覚醒」といいます。うとうとするばかりで深く眠れないというのも、中途覚醒の一種です。

中途覚醒の原因には、自律神経の乱れが考えられます。仕事や家庭でのストレスがたまると、交感神経が優位になりやすく、眠りが浅くなってしまいがちです。

問題を抱えたビジネスマン
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです

ほかに、日中の運動量が少なかったり、就寝前の水分の摂りすぎが影響していたりすることもあります。

タイプ③ 朝すっきり起きられない、朝からどんよりした気分

目が覚めてもなかなか眠気が取れず、ぼんやりした状態が続くことを「睡眠惰性」といいます。これは、最初の4時間でしっかり深睡眠がとれなかったことが原因です。

寝る直前までスマホやパソコンの光を浴びて交感神経を刺激していると、すぐ深い眠りに入れません。すると全体的に眠りが浅くなり、脳は朝になっても深い眠りを求めるので、すっきり起きられなくなってしまうのです。

熟睡するための理想的な入浴

深睡眠は、体と脳の回復タイムです。とくに、脳の疲労物質は深睡眠でしか取り除くことができません。

筋肉の疲労物質は体を休ませれば取り除けますが、睡眠不足で疲労物質が脳にたまったままになると、集中力、判断力、論理的思考力、アイデア、そして意欲までもが減退してしまいます。こうなると、仕事や家事に支障が出るだけでなく、うつ病の発症にもつながりかねないので注意が必要です。

眠りやすくなる入浴のタイミングについては前述しましたが、ここではさらに熟睡につながる入浴のコツをお教えしましょう。

・温度……ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
眠りやすい状態になるのは、深部体温が下がるとき。そのためには、入浴でいったん深部体温を上げるのが効果的です。ただし、熱いお湯に浸かると、交感神経を優位にして興奮状態を作ってしまいます。