寿命を延ばす3つの要因

日本での研究も紹介しましょう。1990年から97年にわたり、新潟大学が地方に住んでいる60~74歳までの440人の男性と625人の女性について、生活習慣と寿命の関係を調べました。

そして、寿命を延ばす要因は、「一日7時間以上の睡眠」と「一日1時間以上の歩行」、そして「生きがいを持つこと」の3つであると報告したのです。

つまり、7時間くらいの睡眠がもっとも体によく、寿命を延ばすということ。8時間以上の場合はどうかという点を除けば、これはアメリカでの研究とも一致した結果といえます。

では、一日4~6時間の、短い睡眠の人は、どうしたらいいのでしょうか? その場合も、あまり気にする必要はありません。

実は「睡眠時間の短さが健康に悪影響をもたらした」とされた人は、仕事や家庭の事情で、もっと眠りたいけれども、短時間の睡眠を余儀なくされた人たちだったのです。

高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)

本来ならもっと長い睡眠時間が必要なのに、その時間がとれない自覚のある「慢性的な睡眠不足にあった人たち」ということです。

ですから短い睡眠時間でも、本人が睡眠不足だと感じていなければ問題ありません。逆に、長い睡眠時間を必要とする人でも、それで日々の状態に問題がなければ、いいのです。

7時間以上の睡眠が健康を害することは、現在は証明されていません。実際、アインシュタイン博士などは、10時間の睡眠を習慣にしていたのです。

ただ、長時間眠っても寝足りないと感じているケースや、先に述べたように、抗うつ剤や睡眠薬を飲んでいるために長く眠っている場合は、必ずしも健康的な睡眠とはいえません。

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