「学歴ロンダリング」「進次郎構文」の逆風を「おもてなし」で跳ね返せるか

そういう意味からは小泉進次郎候補が43歳と非常に若く、しかも東京五輪のプレゼンでの「お・も・て・な・し」によって国民に広く知られた元女性アナウンサー滝川クリステルさんを配偶者としていてタレント政治的にも花があるので、次も当選したい自民党の現衆議院議員としては小泉候補を推そうという力学が大きく働くに違いない。

小泉進次郎氏〔写真=首相官邸ホームページ(菅内閣)/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

しかし、政権トップ(日本の顔)としての適格性ではクエスチョンマークが付くとの指摘は多い。環境相などを歴任したものの政治家としての実績は十分とまではいえず、最終的にはコロンビア大院卒(2006年5月に修士号取得)となっているのも関東学院大卒(2004年)という学歴をロンダリングしていると揶揄されたり、答弁や会見での独特な表現方法がネット上で「進次郎構文」と呼ばれたり……。

東大卒を筆頭としたエリート層の特色をもつ他の候補を閣僚として多く迎えることになると考えられる内閣ではたして総理大臣として指導力を発揮できるか。右往左往しそうな感じも否めず、党首選ののちすぐ解散総選挙というならまだしも、しばらく時をおくと、たちまち馬脚をあらわし、きたる総選挙で敗北する可能性もある、との厳しい見方もある。

小林鷹之氏(写真=首相官邸ホームページ/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

同じ40代の若手の小林鷹之候補(49歳)は国民の中では知名度は高くなく、実績も不足しているものの、選挙の顔としての刷新イメージに期待して選択肢となる可能性もある。

河野太郎候補が次に若いが、すでに61歳とその次に若い林芳正候補の63歳と大差ない。やはりせめて50代でないと若さというポジティブなイメージを得られず、選択肢から外れるのではなかろうか。なお、米国大統領選のトランプ候補を高齢として批判するカマラ・ハリス候補はなお50代なので若さイメージをぎりぎり残している。

女性候補でも旧態依然の体制打破への期待はかけられるが、今回の候補3人の顔ぶれからは現状刷新イメージは得にくく、女性初の首相という掛け声が大きくなるということはないのではなかろうか。

第2次岸田改造内閣にて、デジタル大臣、内閣府特命担当大臣(デジタル改革、消費者及び食品安全)、国家公務員制度担当大臣に就任した河野太郎氏(写真右=首相官邸ホームページ/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons