配偶者は女性アナ、美魔女、韓国料理店経営者、敏腕弁護士…

●学歴・配偶者

学歴については、自民の場合、11人中、過半数の6人が東大卒である。学歴的には小泉進次郎候補がやや見劣りがするのはどうしようもない。学歴を自民と立憲で比べると、立憲は野党らしく私学が多く、自民のほうが立憲より高学歴とは言えよう。自民の場合は配偶者についても分かる範囲で記載した(参考資料:『女性セブン』2024年9月12日号ほか)。

ここで学歴は大学のみを掲げた。米国大学の大学院卒も多いが、最初の就職先である財務省や経産省から留学させてもらった学歴である場合もあり、比較するのは適切ではない側面があるからである。なお、茂木候補、上川候補、林候補、小林候補、齋藤候補はいずれもハーバード大ケネディスクール(大学院)卒であり、小林候補、齋藤候補は財務省、経産省からの留学である。小泉候補はコロンビア大大学院卒である。小泉候補については、後述するように「学歴ロンダリング」だと揶揄されているが入学でコネを使ったとしても厳しいとして知られる卒業を果たしているのだからロンダリングは言い過ぎだろう。

政略結婚的な加藤勝信候補、タレント政治的な小泉進次郎候補、及び独身候補者1人を除くと大学同級生が多く、高学歴、高キャリアの才媛・やり手イメージの配偶者が多い。昔ながらの内助の功のイメージからは遠く、候補者本人と共にわが国のトップ・エリート層をなしていると考えられよう。

高度成長期の田中角栄元首相のようなたたき上げの政治家が政権トップに就任するという事態は、社会が安定した現代では望むべくもないのではなかろうか。

年齢についての選択の幅は広がったが…⁈

●年齢

党首選の候補予定者の年齢については、参考事例を含めて図表3にデータグラフを掲げた。

【図表】自民の方が選択可能な年齢幅の大きなダブル党首選立候補予定者

自民の候補は上川陽子候補の71歳から小泉進次郎候補の43歳まで28歳の幅がある。立憲の候補が江田憲司候補の68歳から泉健太候補の50歳まで18歳の幅であるのと比較すると人数が多い分、選択の幅が広いともいえる。

また、女性候補についても、自民は3人であるのに対して立憲は1人であり、女性候補者の1人も立候補できるかは微妙とされている。こちらでも自民の方が選択の幅は広い。

高齢批判がもしあるとすれば、上川陽子候補の71歳であるが、米国のトランプ候補の78歳と比べればだいぶ若く、先ごろ選挙が終わり当選した東京都知事の小池百合子知事の72歳(選挙時は71歳)も高齢批判の対象とはならなかったので、あまり問題はなかろう。

不明瞭な政治とカネの問題が発覚してから派閥は解消されることとなり、自民党の体質を変えるという大きなテーマを課せられた今回の自民の党首選では、当然、旧態打破がしやすい若い力が求められることとなる。少なくとも次の国政選挙の顔としての役割が今回の党首選で重要であることを考えるとますますそう言えよう。