首都圏に多い党首選立候補予定者

年齢に特に注目して、ずいぶんと勝手な分析を行ってきたが、最後に、候補予定者らの選挙区地域について概観してみよう。

候補予定者の選挙区については図表1~2に掲げたが、図表4には、それを都道府県別に割りふったグラフを掲げ、これでの出身県別の歴代首相人数データとともに図解した。

【図表】首都圏に多い党首選立候補予定者。 自民3人、立憲1人は総理非輩出県から

選挙区はすべて衆議院のものである。すなわち候補予定者はすべて衆議院議員である。これは、首相のみが行うことのできる国会の解散が衆議院にのみ認められることから、首相は衆議院議員でなければならないという政治慣行(不文律)があるためである。林芳正候補のみは参議院での当選が多かったが、首相を目指し前回選挙で衆議院に鞍替えした。

今回、自民党党首選の候補予定者11人のうち、首都圏(関東圏)に選挙区をもつ候補が5人と約半数を占め、多くなっている。立憲民主党の代表選立候補予定者の場合は5人のうち4人は首都圏であり、より集中度が高くなっている。

明治維新が薩長など西南雄藩によって実現したこともあって、戦前の歴代首相は西日本に片寄っていたが、戦後の歴代首相では関東圏の躍進が著しい。今回の候補予定者の出身についても基本的にはこの流れに沿ったものといえよう。

それでも自民の場合は西日本にも候補者が多く、多数の候補者を抱える全国政党としての強みをうかがわせている。

なお、自民の野田聖子候補、高市早苗候補、石破茂候補のいずれか総裁に選ばれ、次の総理になるとしたら、それぞれ、岐阜、奈良、鳥取という総理大臣非輩出県からのはじめての総理になる。

渋沢栄一を輩出した埼玉県から総理大臣が出ていないのは寂しいが、今回、立憲の代表として枝野幸男候補が選ばれ、さらに次期衆院選で政権交代が起こるという状況が来なければ実現しないので、かなり可能性の低い将来予測だと言えよう。

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