小池氏と蓮舫氏の悪いところを石丸氏も持っている

石丸氏は「市議会との対立」を演出し、メディアの注目を浴びたため、自らの能力と発信力に自信を持ったのであろう。「誤解」をもとに、都知事選へ立候補したわけだ。

しかし、発信力だけで首都の舵取りができるわけではない。ある意味、小池氏と蓮舫氏の悪いところを石丸氏も持っていると見ている。

そもそも、任期満了前に安芸高田市政を投げ出したことを批判されるのは避けられない。

6月6日に行われた市長退任式において、石丸氏は、「4年を振り返るととてつもない充実感がある。できることは全てやりきった」と述べ、小中学校の給食無償化や学校用務員の配置などの成果を誇った。また、「市長としてやるべきことをやったが、議会が否決したものは議会の責任」と述べている。

石丸氏はおそらく都議会と対立する

もし石丸氏が都知事になり、安芸高田市と同じ手法で、同じ政策をやろうとすれば、都議会との間に抜き差しならない対立が生じるであろう。そうなれば都政は停滞してしまう。

石丸氏は、どの政党からの支援も受けずに、無所属で戦うという。それ自体は結構なのだが、都政運営では議会との関係が重要になる。

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さらには、首都である以上、国との関係も重要である。

東京都は金持ちで、政府交付税交付金を受けていない。それだけに、国に先駆けて日本のために必要な改革を実行することができる。しかし、それを可能にするのは国との対立ではなく、協調である。

石丸氏がこの点を理解していなければ、彼の都知事就任によって、東京都は首都としての輝きを失ってしまうだろう。

以上、三者三様、問題点の多すぎる候補ばかりである。

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