2024年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。政治・経済部門の第3位は――。(初公開日:2024年6月13日)
史上最高の30人以上が出馬予定
今回の都知事選は、30名以上が出馬する予定と、候補者数では史上最高となりそうである。今のところ、立憲民主党の蓮舫参議院議員が手を挙げ、大きなニュースとなっている。現職の小池百合子都知事は12日に出馬表明している。また安芸高田市長の石丸伸二が市長職を辞任し、立候補するという。
現時点での展望と問題点を指摘してみたい。
現職の小池都知事は当初、5月29日に出馬表明すると言われていたが、依然沈黙を守り続けていた。「後出しジャンケン」のほうが有利という選挙戦術の側面もあったのかもしれないし、元側近が暴露した学歴詐称疑惑が影響したのかもしれない。
2020年の「もみ消し疑惑」
2020年5月に発売された石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』(文藝春秋)が、小池氏の「カイロ大学卒業」という経歴は疑わしいと指摘したが、小池氏はその指摘を否定する工作を行った、という疑惑がもちあがっている。
小池氏は側近の小島敏郎弁護士に相談し、小島氏は「カイロ大学に声明文を出してもらう」というもみ消し工作をしたという。
具体的には、小池から依頼された元ジャーナリストが、6月に小池の卒業を証明する文案を書き、それとほぼ同じ内容の声明文がエジプト大使館のフェイスブックに掲載された。
その工作は成功し、学歴詐称疑惑はいったんは雲散霧消したのである。
コロナ流行を理由に小池は街頭での選挙戦を控えたため、この問題について他候補やメディアに質問されることもなく、選挙の争点にもならなかった。こうして、2020年7月の都知事選で小池は圧勝した。