結局、「前職のほうがよかった」と後悔する
上記のケースを見てもわかるように、自分自身の中にある内なる欲求である「内的要因」ではなく、人間関係や環境など自分の外側にある要因で転職する場合の転職は失敗しがちで、その後の人生にも大きな影響を与えかねません。
つまり、「現状から逃げたい」といった理由による転職は避けなければならないわけです。もちろん、パワハラやセクハラなどであれば、その環境から離れる決断をすることは悪いことではありません。
しかし、「ソリが合わない」や「話すと面倒臭い」などが大きな要因だと、人は物事に対して焦りを抱えます。正しい判断ができない中で転職活動をすれば、転職先でも「こんなはずじゃなかった」と嘆いたり、下手したら「前職のほうがよかった」と後悔したりする状況に陥ることだってあります。
転職を成功させるためには、まず自分がどうありたいかなど、内なる声に耳を傾け、本当に自分がやりたいことを見つける、目指す方向を定めるなど、内的要因を持って活動するのが賢明です。
「石の上にも3年」より「本気の1年」
よく社会に出て働き出すと、「石の上にも3年」と格言のように言われます。まずは「3年はやってみよう」と。3年の月日が仕事に打ち込んだり、我慢したりする期間として最適であるかのように思われています。たしかに、成長や成功するためには本腰を入れて取り組まなければならない点は間違いありません。
成し遂げたいことが明確で自分が実現したいキャリアであるなら、3年と言わず、10年20年とその道を突き詰めることも大事です。ただ、それはキャリアが明確に見えている場合です。これからキャリア形成を考え始める人が、「この仕事は向いているかもしれない」程度の気持ちで3年もの時間を費やすのは、大きなリスクとも言えます。
私としては「石の上にも3年」より、「本気の1年」こそが仕事をする上では大事な視座だと考えています。