バランスが大事
整理整頓は確かに大事ですが、それにかかる時間やコストが実は創造的な作業を妨害することもあります。しかし、長期的に見れば少しの時間とコストをかけることで安定的な集中力を得られるかもしれず、悩ましいところです。今までの話を整理すると、爆発的な創造力を取るか、安定的な集中力を取るか、ということになります。
テンプル大学のグレイス・チェイの研究によれば、きれいなオフィスで働く人たちは散らかった環境で働く人たちよりも困難な仕事を乗り越えられる傾向にあるのだといいます。また、整理された部屋で働く人たちは、より健康的な選択をするのだそうです。
例えば、食事を選ぶ際にも、身体に気を使った食材を選びやすいのだとか。無秩序な状態は、精神を乱すとまで言われており、粘り強さを低下させると考えられています。
確かに私が知っているアーティストも、プロジェクトの初期段階ではアトリエが散乱していますが、作品が仕上がるにつれてどんどんと整理整頓されていくと言います。つまり、クリエイティブな拡散的思考から、問題解決の収束的思考に切り替える際に、うまく整理整頓を利用しているのです。
これらの観点から、私たちは散らかりがもたらす創造的な可能性を見過ごすことなく、それぞれのニーズに合わせた環境を整えることが重要です。整理整頓が強調されることの多い現代でも、ある程度の乱雑さが創造性を刺激することを認識し、バランスを取ることが求められています。それぞれの方法を試し、自分にとって最も効果的な集中力アップの方法を見つけることが、創造的な成功への鍵となります。