上司に相談できない部下の「3つの悩み」

1)何を相談すればいいのかわからない(問い自体が立てられない)

上司が、「わからないことや悩みがあれば、何でも話してくれればいい」と思っていても、部下からすると、上司に相談するからには、さすがに「何でも」というわけにはいきません。

上司と話したことでわかった気になったとしても、改めて自分一人で考えるとまた悩んでしまうという部下は、珍しくありません。

上司と話している時に、本当の意味で問題を理解できていないからそうなるのですが、「自分が何につまずいているのかわからない」「何が問題なのかわからない」、つまり「何がわからないのかわからない」という状態なのです。

問題の解像度が低いために、上司の時間を取ってもらったところで、そもそも効果的な相談ができそうにもないと、部下は考えます。

「相談したいことをもっとはっきりさせてから、相談しよう」と思っているうちに時間がたってしまい、さらに相談しにくくなってしまうのです。

責任感が強い部下ほど陥りがちな思考回路

2)どこまで正直に悩みを伝えていいのかわからない(問いの解き方がわからない)

責任感が強い部下ほど、「自分の役割は自分で果たさなくては」と考えます。

その結果、「できる限り自分でなんとかしよう」と仕事や問題を抱え込んでしまいます。

何を解決すべきなのかはわかっている(問い自体は立てられる)のですが、解決方法で行き詰まってしまう(問の解き方がわからない)状態です。

上司からすると「『何かあったら相談して』と言っているのだから、部下から問題解決方法について壁打ちを気軽に依頼してくれればいい」のですが、それは、能力的にも立場的にも状況を俯瞰して見られる上司だからこそ言えることです。

部下は「自分なりの答えや仮説が出来てからでないと、上司に頼るべきではない」と思ってしまいがちです。

そして、答えが出せないうちに、状況がどんどん変わり、さらに窮地に追い込まれてしまいます。そこで力尽きて「自分には無理だ」と考え、転職もしくは精神的にダウンしてしまう可能性もあります。

3)相談したいけれど上司の忙しさに気後れする

予定表を部下が見られるようにしておられる上司も多いと思いますが、まるでテトリスのように、朝から夕方まで埋まっている上司の予定表を見て、部下はこう思います。

「こんなに忙しい上司に、自分のためにさらに1on1をお願いするのは申し訳ない」

上司が「相談してくれれば、時間は作るよ」と思っていても、部下は気後れするのです。