虐殺の主犯格・アイヒマンを捕らえた執念と戦闘力

イスラエルという国家を守るため、イスラエルの諜報機関は首相の承認があれば、拉致や暗殺も行います。今回のガザでの空爆や作戦も、ハマスの幹部の殺害を目的とした攻撃が多く実施されています。

ここにおけるイスラエルの基本的な考え方は、「敵は世界のどこにいても必ず見つけ出して殺害する」という論理です。同胞を殺した者には、必ず報復するということです。2023年10月7日以後も、攻撃を行ったハマスの戦闘員は全員を見つけ出して殺害することが重要な国家目標になっています。

この「敵は必ず見つけ出して殺害する」というイスラエルの論理を世界に知らしめたモサドの秘密作戦があります。第二次大戦中のナチス・ドイツでユダヤ人の虐殺に中心的な役割を果たしたアドルフ・アイヒマンの拉致と処刑です。

1960年、アイヒマンはアルゼンチンでリカルド・クレメントの偽名で隠れて暮らしていましたが、イスラエルの諜報機関モサドに発見されます。モサドは現地でアイヒマンを拉致し、国営のエルアル航空でひそかにイスラエルまで移送しました。その後、アイヒマンは裁判にかけられて処刑されました。