願いを叶えられる脳の状態

最大出力のパワーでマニフェステーションを実現するには、4つのネットワークが効果的に連携し、優雅なチームプレーを発揮する必要がある。

理想的な協力関係にあるとき、顕著性ネットワークと注意ネットワークが力を合わせ、いま受けている刺激(この場合はわたしたちの欲求を表現した意図)にはより高度な認知処理が必要だと判断する。この連携がセントラル・エグゼクティブ・ネットワークを活性化し、同時に脳内でずっとおしゃべりをしていたデフォルトモード・ネットワークのスイッチを切る。

その結果、自己意識にじゃまされることなく、自分の意思で思考を操作できるようになる。ネットワークの連携プレーによって、意図を潜在意識に埋め込むための通り道が開かれ、そしてその結果、脳内にある膨大なリソースを意図の実現のために使えるようになるのだ。

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安全で脅威のない環境が不可欠

問題は、潜在意識の門番である交感神経系だ。

ストレス下では交感神経系が過活動の状態になり、デフォルトモード・ネットワークが乗っとられるというエビデンスがある。通常であれば、自己をふり返るという作業はデフォルトモード・ネットワークが調停し、安全な環境で行われるのだが、刺激に対して敏感になってしまうのだ。

その結果、「自己」の感覚が脅威にさらされ、不安で傷つきやすくなり、脳内のおしゃべりが異常に増え、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークのスイッチを入れることができなくなる。すると、効果的な認知の働きと、意図の潜在意識への埋め込みが阻害され、感情を制御する能力も低下する。

つまり、意図を潜在意識に埋め込み、マニフェステーションを実現するには、安全で、脅威のない環境が不可欠だということだ。そのような環境であれば、脳の力を最大限に発揮することができる。身体がリラックスし、そして内部の脅威も外部の脅威も少なくなるほど、交感神経系のじゃまが少なくなり、デフォルトモード・ネットワークによる過剰な脳内のおしゃべりも少なくなる。